現在、皇室には天皇陛下の孫世代の男子は悠仁さましかいない。「男系男子」しか皇位を継げない現行のルールでは、悠仁さまに男子が生まれなければ、皇位継承者がいなくなる。これは天皇家にとって、最大規模の危機を意味する。
「天皇家にとって『皇統の継続』は何にも増して重要な使命であり、天皇陛下含め皇族方は、皇統を途切れさせず、安定的に継続させることを常に最優先事項と考えていらっしゃいます。それゆえ、女性天皇容認や女性宮家創設を含めた、皇統の継承のためのさまざまな議論を進めるべきだと、皇族方もお考えなのです」(皇室ジャーナリスト)
そこで浮上するのが「愛子天皇」待望論である。
「高校生になられた愛子さまには皇族の一員としての自覚が芽生えられ、沿道の市民などに向かって手を振る姿も堂々と、自然な笑顔が見られるようになりました。
幼い頃は“将来の天皇の一人っ子”であることを理解できず、周囲からの視線に戸惑われて不登校気味になったこともありましたが、最近はすっかり落ち着いていらっしゃる。その気品あふれる姿から“愛子さまを天皇に”という声が上がっています。
天皇皇后両陛下も、男系にこだわる方ではなく、胸の内には『愛子天皇』という考えもあったそうです」(前出・皇室ジャーナリスト)
秋篠宮家が抱える不安も、愛子天皇への期待の高まりとは切り離せない。秋篠宮ご夫妻による「個人の意思を尊重する子育て」の結果、眞子さまの結婚延期という事態が引き起こされ、いまだにご夫妻は眞子さまとご結婚の真意について話し合いもできていないとされる。
「ご夫妻のそうした教育のもと、姉の背中を見て育たれた悠仁さまが“将来の天皇”であることに、不安を感じている皇室関係者は少なくない」(宮内庁関係者)
生まれた時から、「皇太子の長子」の立場であり、皇太子さまの謙虚で穏やかな立ち居振る舞いを身近で学ばれてきた愛子さまに期待が集まるのも自然なことだろう。
世論も女性天皇の誕生を後押しする。朝日新聞が4月18日に公表した世論調査では、安定した皇位継承のために「女性天皇」を認めてよいという人が76%に達した。愛子天皇が実現すれば、女性を中心とした多くの国民に勇気と自信が芽生え、世の中が明るくなることだろう。諸外国からも好反応を得られるはずだ。
押し寄せる民意に政府も重い腰を上げた。菅義偉官房長官は3月18日の参議院予算委員会で、「(新天皇の)即位後にすみやかに検討を始める」として、女性天皇や女性宮家についての議論を始める意向を示した。
「男系男子で天皇を維持したい保守層を支持基盤とする安倍総理としても、女性天皇誕生に期待を寄せる国民の声は無視できません。また安倍総理としては、悲願である憲法改正を実現するためにも、多くの人が賛成でまとまりやすい女性天皇の是非を巡る国民的議論を巻き起こし、“国の在り方を左右する大切な事柄”として、改憲も一緒に俎上にのせたいわけです」(政府関係者)
※女性セブン2019年5月9・16日号