製作終了から31年。男たちを魅了した「日活ロマンポルノ」の女優たちはスクリーンから去った後、どんな人生を歩んだのか──。
松田聖子が華々しくデビューした1980年、愛らしい少女がポルノ界に花を咲かせる。たちまち「ポルノ界の聖子ちゃん」と呼ばれたのが寺島まゆみだ。
「もともとは歌手になりたかったんです。山口百恵さんに憧れて『スター誕生!』(日本テレビ系)のテレビ本選にも出ましたが、阿久悠先生に『キミは学校ではモテても、アイドルになれるとは限らない』と言われ、あっさり敗退しました」
その後、スカウトマンに声をかけられ、日活の本社を訪ねた。のちに恩師となる白鳥信一監督が『宇能鴻一郎の貝くらべ』(1980年)のオーディションをやっていたが、寺島の顔を見るなり中止にして、寺島を抜擢する。
「ただ、台本を読んだ母が引っくり返るほど驚いたこともあり、いったんはお断わりしたんです。ところが、白鳥監督らが実家である『鳥勝』(小平市)に挨拶にいらして。これはやってみなくてはと思いました」
あっという間に美保純と人気を二分するアイドルに成長。ソフト路線ではあったが、その人気は歌手、DJへと拡大した。1988年に結婚すると、1男1女をもうけ、育児に専念する形で芸能活動を休業する。