有村架純の姉、有村藍里が美容整形を受ける様子をドキュメンタリー番組で公開し、『しくじり先生』に出演した水沢アリーは「数え切れないくらいプチ整形を繰り返した」と告白。ジャガー横田も幹細胞治療で若返りを宣言するなど、有名人が整形をオープンにする動きが相次いでいる。有名人でなくとも整形をする人は増えていると言われる。二度の結婚と離婚を乗り越えたアラフィフ美女が語る三十年超にわたる美容整形と人生について、ライターの服部直美氏がレポートする。
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SNSで「うにこ」と名乗る目の前に座る美女は、ほぼすっぴんで待ち合わせ場所にやってきた。しみひとつ無い白い肌の彼女が、実はアラフィフだと言っても驚く人がほとんどだろう。四十歳だと言われても「お若いですね」という返事を返したくなるような雰囲気だ。そんな彼女の美容整形歴は長い。その始まりとして、今から約三十年前、18歳の若さで一回り年上の男性と結婚したことから語り始めた。
「きっかけは最初の離婚。夫がすごい男尊女卑で。結婚後、拒食症になって29キロまで体重が落ちました。頬がこけて酷い顔になって。男にやられて凹んでいる自分が嫌、何もかも嫌になって。強い自分になりたい、別人になりたかった」
新婚当初は優しかった夫だが、次第に「女の立場は低い」と当たり前のように妻を侮辱する言葉を投げつけるようになった。まだ十代だった彼女は、初めて体験する自分を否定するばかりの言動に憤りを感じても、何も言い返せないでいた。
「父も母も仕事を持ち、対等に意見を言って話し合う夫婦でした。世の中の家族はどこもそうだと思っていたから、夫に押さえつけられ、罵られるのが普通だという生活は耐えられなかった。なぜ、そんなことを言われるのか理解できなかったし、どうしたらよいのかわかりませんでした」
今でいえばモラハラと呼ばれる類いの虐待を繰り返す夫により、精神的に追い詰められる生活が続いた。そして、だんだんとDVっぽくなった夫との生活で痩せていき、「別人になりたい」と考えるようになった。自分の見た目を、「弱そうに見える」顔を変えたい気持ちがつのっていった。
「結婚前からもともと自分の顔が好きじゃなかった。本当の私は気が強いのに、おとなしそうに見えるのか、見知らぬ男性に後をつけられたり、ストーカーされることがたびたびありました。電車通学をしていた高校時代には、痴漢がイヤで3回も路線を変えたのに、3回とも痴漢にあったんです」
思春期から繰り返し理不尽な被害に何度も遭ううちに、自分の何が悪いのだろうという悩みを常に抱えるようになった。DVやストーカーの被害者は、本来は加害者に責任があるから加害者を責めればよいのに、自分が変わればよいのだと考えがちだ。彼女も似たような思考をたどった末、約3年で破綻した最初の結婚生活を経て、自分の顔を変えて別人になることを真剣に考えるようになった。
「このままの顔は嫌。失礼なことをしたら殴られるかもしれないと相手に思わせるくらいの、強い顔がいい。男につけこまれて、セクハラやモラハラにあっても言い返せる自分になりたい。でも、鏡の中に映る自分のしょぼい顔を見ると自信がなくて……。誰が相手でも強い発言をしている女性のようになりたいって思ったの」