建て替えのため空き地になっている韓国・ソウルの日本大使館跡地。大通りを挟んだ反対側には「慰安婦像」が設置されたままになっており、日本政府に慰安婦問題での謝罪や補償を求める抗議デモ「水曜集会」の“聖地”となっている。そのデモは「令和」になっても続きそうだ。韓国在住ジャーナリストの藤原修平氏が、1384回目となる水曜集会の現場を取材した。
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「日本政府は、謝罪しろ、謝罪しろ、謝罪しろ!」
4月24日(水)の昼過ぎ、ソウルの日本大使館“跡地”前ではシュプレヒコールが響き渡っていた。慰安婦問題で日本政府からの謝罪を求める水曜集会が始まったのだ。慰安婦を象徴する少女像(慰安婦像)には花を編んで作った冠が被せてある。
水曜集会とは1992年1月8日に始められた抗議デモのことで、毎週水曜日に行われることから名付けられた。当初の正式名称は「日本軍慰安婦問題解決の為の定期水曜デモ」であった。2017年2月1日から「日本軍性奴隷制問題解決の為の水曜デモ」に改名されて現在に至り、今回で1384回を数える。
大学が中間テストの期間中のせいか、いつも参加者の多数を占める女子学生らの姿はなく、人数も普段の半分か3分の1程度。それでもざっと120人くらいはいるのだが、そのほとんどが小学校高学年だという。彼らは「日本政府は謝罪しろ」「世界の平和を願う」などと書いたプラカードを掲げ、嬉々としながら「謝罪しろ」を連呼している。その傍では付き添いの教師と思しき中年の男女数人が笑顔で拍手を送っていた。
水曜集会は後半になると、参加グループの代表が歩道上に設けられた特設ステージに立つのが恒例。この日は小学生の代表が壇上に立ったが、一人の男子児童がハルモニ(元慰安婦のお婆さん)に宛てた手紙を読み始めると、会場はさらに盛り上がりを見せた。