ワークライフバランスや働き方改革が叫ばれて久しい。4月スタートの新ドラマでそこにド直球を投げ込んでいるのが、『わたし、定時で帰ります。』(TBS系列火曜午後10時~)だ。
初回(4月16日)9.5%、第2話(4月22日)10.4%の視聴率を獲得し、順調な滑り出しといっていいだろう。定時に帰ることをモットーにウェブ制作会社で働く東山結衣(吉高由里子)が、クセの強い上司・同僚たちと対峙しながら奮闘する物語だ。
主人公の東山結衣は、定時に帰るだけでなく、有給もすべて消化することを信条とし、やるべきことをきちんとこなし、請われれば時に残業もするというのが仕事のスタンス。だが、残業が常態化している社内の雰囲気からすると、東山の働き方は「自分勝手」「ラクをしている」と映ってしまう。
政府がお題目を唱えている「働き方改革」は、各企業でそれぞれの方法で行われてはいる。だが、人の意識は法律をつくるようには短い時間で変われない。上司も口では早く帰れというが、自身は相変わらず残業していたり、心の中では「残業をいとわずやるのが仕事というものだ」と思っていたりする。そのため、「上司や先輩社員より早く帰れない」という独特の雰囲気がある会社も多いはずだ。
筆者自身もかねて「早く帰ろう」と努力していたが、最初はとても難しかった経験がある。定時で帰ったせいで評価が下がったり、「自分勝手」「ラクをしている」と見られないようにするにはどうしたらいいのだろうか。『できる人の口ぐせ』(中経の文庫)などの著書があり、仕事のモチベーション研究などを行う菊入みゆき・明星大学特任教授はこうアドバイスする。