作業服の高機能性を武器に、低価格のアウトドアウェア専門店を次々と出店して人気絶頂の「ワークマンプラス」。一方、フランス発で世界最大のスポーツ用品店「デカトロン」が3月末に日本初上陸(兵庫県西宮市)し、「ワークマンvsデカトロン」の戦いが注目されているが、ファッションジャーナリストの南充浩氏は、早くもワークマンに軍配を上げる。その理由とは?
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少し前のことになりますが、3月21日に話題の低価格アウトドアウェア店「ワークマンプラス」の関西1号店が「ららぽーと甲子園」にオープンしました。
オープン当日は1000人を超える来客数があり、81坪の店舗は入場制限を行ったほど。初日の売上高は約460万円。郊外型の中型ショッピングセンターである、ららぽーと甲子園という施設の性格と、商品単価の低さを考慮すれば上々の数字だといえます。
ららぽーと甲子園での初年度売上高目標は3億円を掲げており、商品単価の低さと郊外型ショッピングセンターという立地では少々高めの目標設定ですが、仮に460万円ペースで売れ続ければ、計算上では、1年間で10億円を越える売上高になりますから、品薄商品の補充体制が杜撰でなければ、3億円への到達は不可能ではありません。
一方、同時期に近隣の「西宮ガーデンズ」にはフランス拠点の低価格スポーツ・アウトドアSPAグローバルブランド「デカトロン」の日本1号店がオープンしました。低価格ということとスポーツ・アウトドアということで、メディアは“西宮戦争”と煽っていますが、単純に同等比較することは難しいのではないかと個人的には見ています。
共通項は「低価格」と「スポーツ・アウトドア」ですが、恐らく消費者には「同ジャンル」のブランドとは映らないのではないかと思います。