感動を呼んだプロポーズで話題になった芸人オードリーの春日俊彰。相方の若林正恭も大号泣で祝福したが、一週間も経たないうちに春日が女性をお持ち帰りしていたスキャンダルが飛び出した。もっとも、二人は深夜のラジオ番組で、スキャンダルもしっかりネタに昇華していた。彼らの個性が存分に発揮されている名古屋・中京テレビ制作の番組『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』と東京在住にも関わらず出会ってしまったイラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、なぜこの番組がオードリーらしさにあふれているのかについて考えた。
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先日、オードリー春日俊彰の結婚が発表された。売れていない時代を支えてくれた彼女が糟糠の妻となる。出来すぎたラブストーリーは大きな感動を呼ぶ。ここまで祝福された芸人の結婚は陣内智則と藤原紀香以来か……。幸福なニュースはオードリーを国民的芸人と呼んでもはばからない存在へと押し上げた。
そんな最中、FRIDAYに掲載されたのが春日の醜聞。「春日が余計なことをするから、すでに書いていた上記のコラム枕が台無しじゃないか!」と僕の中に八つ当たり的な怒りがふつふつと湧いている。結果、春日の好感度は早々落日。そこに人生の春秋を見た! ポカポカ陽気の春から夏、秋を飛ばして極寒の冬へ。ただ、一筋縄でいかないから春日は芸人としては魅力的なわけで……、トゥース!
そして、コラムは進む。
2年前まで僕はオードリーの熱心なファンだった。彼らが登場するテレビ、ラジオ、出版物の大方をチェック。 “じゃり”くさい子供じみた言い方をすれば「一番好きな芸人はオードリー」だったわけ。しかし、ある時期から若林正恭のある立ち振る舞いが気になるようになった。
2008年の『M-1グランプリ』で準優勝し、世間に認知されたオードリー。当初、注目されていたのはキャラの濃い春日で、若林は典型的な“じゃない方芸人”として機能していた。1年後、そんな若林にブレイクの機会が訪れる。それが“人見知り”というキャラクターの開拓。「社交性がなくてもいいじゃないか!」とアジテーションし、大きな反響を呼んだ。“人見知り”をキャラ化することに成功する。
そンな若林に共鳴し自身を“人見知り”だとアピールする人も増加。世の中には『アメトーーク!』のやりとりをまんま再現し、それをコミュニケーションとする人が意外に多い。しかし、若林は一般的な“人見知り”と異なる。そこに気づかないのが自称“人見知り”軍団。テレビで社会性のなさを語ることは、一般社会で“人見知り”を自己申告することと違う。若林のように客観的な視点を持ち、社会性の低さを話芸にできる人はまずいない。つまり、一般社会では“人見知り”だと知られることは得にならない。もちろん、キャラにもならないのだ。