医食同源の言葉通り、健康の重要なカギを握るのが日々の食事だ。テレビや雑誌では「これを食べると体にいい」という情報が数多く紹介されているが、むしろ注意すべきは、気づかないうちに健康に害を及ぼすリスクのある食べ物を口にしていることだ。健康管理の“プロの中のプロ”である医師は何を食べないのか──。
「昔ながらの粗食が健康にいいと思っている人が多いですが、それは幻想にすぎません。そもそも粗食の時代の日本人は短命でした」
そう指摘するのは、米山医院院長の米山公啓医師。日本人が粗食に抱くイメージを「単なる郷愁」と喝破する米山医師は、“昔ながらの食材”の代表格である玄米を一切口にしない。
「確かに玄米にはビタミン、カルシウム、鉄分などの栄養素が多く含まれますが、それらがしっかりと体内に吸収されるわけではありません。
玄米の糠の部分に多く含まれるフィチン酸はカルシウムや鉄分と結びつくと水に溶けにくくなり、腸からの吸収が悪くなります。玄米は白米の2倍以上のカルシウムを含みますが、吸収率から見ると白米のほうが効率的と考えられるのです」(米山医師)
一般的に玄米の利点とされる他のポイントにも米山医師は異を唱える。