大型連休を終え、憂鬱な気分で仕事を再開しているサラリーマンは多いはず。希望の部署に配属されず、ゴールデンウィーク中に本気で転職を考えた新入社員もいるだろう。「私も若いころは仕事を面白いと思ったことは一度もなかった」と明かすのは、北海道発の超人気バラエティ番組『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送)の名物ディレクター、藤村忠寿氏(53)だ。いまや、地方局に属しながら、本を出版したり、舞台役者に挑戦したり、はたまたユーチューバーになったりと、やりたい事を次々と形にしている藤やん(愛称)の“仕事論”とはどんなものなのか。
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今年はいよいよ『水曜どうでしょう』の新作を放送する予定です。撮影はすでに2年前からスタートしておりまして、これはかなりの大作になろうかと思われます。
が、それはあくまでも現段階での予想です。というのも、今年の年明けから編集には着手したものの、本格的な編集作業はゴールデンウィーク明けから一気に進めることになるからです。
「いやいや、2年前から撮影してるんだから、もっと早くから編集始めなさいよ!」
「だってそれがあなたの仕事でしょう」
「その仕事をほったらかしてお芝居なんかやってるから遅くなるんでしょう」
と、各方面からお言葉を頂戴するわけですが、まぁまぁちょっと話を聞いてくださいよ。
振り返れば、僕は故郷の愛知県から北海道大学に進学して、北海道が気に入って、就職したのが北海道テレビ。希望していたのは「報道部」でした。ところが最初に配属されたのは「東京支社編成業務部」というところでした。
ここでやっていた仕事をざっくり言えば、視聴率とお金の計算です。「ちょっと待ってよ。報道部に行きたかったのになんでこんな仕事を?」「ていうか北海道が気に入って就職したのになんで東京勤務?」と、ずっと不満を抱えながら(実際、転職も考えながら)5年間を過ごして、次の異動先がまたしても希望とは違う「制作部」でした。
「番組を作る制作部はテレビ局の花形でしょう」とお思いでしょうが、それは東京や大阪といった大きなテレビ局の話。ローカル局の制作部なんて、有名タレントと一緒に仕事ができる機会なんてほぼありません。華やかさは皆無なのです。