「医食同源」の言葉通り、健康の重要なカギを握るのが日々の食事だ。テレビや雑誌では「これを食べると体にいい」という情報が数多く紹介されているが、むしろ注意すべきは、気づかないうちに健康に害を及ぼすリスクのある食べ物を口にしていることだ。健康管理の“プロの中のプロ”である医師は何を食べないのか──。
元ハーバード大学研究員でボストン在住の内科医・大西睦子医師の食卓に、日本古来の伝統食である漬け物が並ぶことはない。
「日本の漬け物や韓国のキムチなどをあえて食べることはありません。複数の研究報告によると、湿った野菜を数週間から数か月漬け込み、菌や酵母を成長させるアジア式の野菜の漬け物は発がん性化合物を生じさせる可能性があります。
世界保健機関の外部組織・国際がん研究機関は、こうしたアジア式の漬け物からニトロソアミンという低濃度の発がん性物質が検出されたため、発がん性の危険度を上から3番目の『グループ2B』に分類しています。
野菜や酵母、調味料の種類によって発がん性物質が生じる量は変わってきますが、そもそも漬け物には塩分が多く胃がんリスクも指摘されるため、新鮮な野菜を食べるようにしています」(大西医師)
健康のため毎朝コップ一杯の果汁100%ジュースを飲むことを習慣にする人も多いが、大西医師は「私は飲まないようにしています」と語る。