巨人・坂本勇人(30)のバットが冴えまくっている。打率.338、13本塁打、30打点で、セ・リーグ打撃部門の「三冠王」(数字は5月14日現在)。14日の阪神戦(東京ドーム)で途切れたものの、開幕から36試合連続出塁のセ・リーグ記録を樹立するなど絶好調だ。
今季は37試合で51安打と、シーズン200安打に迫るペースの“量産体制”を続ける。昨年までのプロ12年間で積み上げた安打数は1711。現在30歳の坂本は、2000本安打どころか、張本勲氏が持つプロ野球記録(3085安打)も射程圏内と期待されている。
そんな坂本には、成績以外にも“非凡”なエピソードがある。右投げ右打ちだが、箸もペンも左手で持つ「左利き」なのだ。
“左利きの右投げ右打ち”が誕生したきっかけを、坂本が少年時代に所属した「昆陽里(こやのさと)タイガース」(兵庫・伊丹)の山崎三孝監督は、かつて本誌取材にこう語っていた。
「小学校1年生で入団した時に5つ上のお兄さんのお下がりだった右利き用グラブを使ったためか、坂本君は(兄と同じ)右投げ右打ちで野球を覚えた」(2009年5月22日号)
一時は、山崎監督の勧めでスイッチヒッターに挑戦したこともあった。だが、当時チームメイトだった田中将大(30、現ヤンキース)と打球の飛距離を競い合う中で、左打ちではかなわないと感じて右打者に専念したという。
“異色の右打者”であることが、現在の好調につながっていると指摘するのは、在京スポーツ紙デスクだ。