日本の政治家は、節目になると筆と墨を手に取り、書をしたためる。その墨書はのちのちまで掲示されたり、活用されることもある。日本を代表する政治家から稲田朋美・自民党総裁特別補佐、安倍晋三・第98代内閣総理大臣、麻生太郎・副総理・財務大臣の3人の筆跡を、筆跡診断士であり、筆跡アドバイザーとしても活躍する書家の高橋史氏が読み解いた。
◆安倍晋三氏(第98代内閣総理大臣):2017年10月の衆院選公示前に開かれた党首討論会での決意表明。
【総評】「字のサイズが大小混在するのは、波乱万丈な人生の人に多い。総理、副総理が揃って『口』の下部分の角が開いているのは、日本国民としては気になります(笑い)」
【1】左右下角が開いているのは、浪費家に目立つ筆跡。
【2】縦線が非常に長いのは、平凡では満足しない性格を表わし、政治家に多い。
◆稲田朋美氏(自民党総裁特別補佐):国家公務員制度担当相当時の2014年に揮毫した看板。
【総評】「意識的に左払いを長くすれば、ご自身の良さを上手く演出できるはずです」(高橋史氏、以下同)
【1】極端に短い左払いの筆跡は、自己演出が下手な人に多い。
【2】強いハネは、叩かれてもへこたれないタフな性格を表わす。