国内

千葉小4女児虐待死 「保身のために服従」母親の心理

なぜ愛娘を見殺しにしたのか…心愛ちゃんの母が初公判に出席

 茶色のセーターに黒の長ズボン、黒縁のメガネで出廷した母親は、終始無表情でうつむいていた。

 5月16日の千葉地裁。千葉県野田市立小学校4年生の栗原心愛ちゃん(享年10・みあちゃん)が、父親の勇一郎被告(41才)に虐待を受けて今年1月に死亡したとされる事件で、傷害ほう助罪に問われた母親のなぎさ被告(32才)の初公判が開かれた。

 公判を前に、父親に下着を下ろされたという性的虐待を疑う報道もあり、改めていびつな親子関係が浮き彫りになった。

「母はなぜ娘を助けなかったのか」──。誰もが抱いたこの疑問に対し、彼女の口から発せられた言葉とは…。

「冷水のシャワーを浴びせる」「食事を与えない」「トイレに行かせない」──公判では、検察が数々の虐待の事実を明らかにした。その虐待をなぎさ被告は止めず、手助けしたとしている。

 勇一郎被告からDVを受けていたとされるなぎさ被告。検察側も「支配的立場にあった勇一郎被告に逆らえなかったことが背景にあることは否定できない」と論告で言及した。

◆「優しいところに惹かれた」

 2人は2008年に結婚するも、2011年に離婚。2016年6月頃から再び交際し、2017年2月に再婚した。公判によると、1度目の離婚後になぎさ被告から「元気?」と連絡したのがきっかけだという。

 なぎさ被告は調書で「全く嫌いになって離婚したわけではなく、実家の説得があったことがあった。束縛や暴力があったが、好きだった。優しいところに惹かれた」と述べている。ところが、検察から「どんなところ?」と尋ねられると、「具体的に思い浮かばない」と言うのみ。

 被告人質問では、「女児を連れて家を出ようと思ったことはあるか」と問われると「ない」と答え、続けて「逃げようとしても行き先がばれたり連れ戻されると思ったから」と話した。

 なぎさ被告からは、夫への恐怖が感じられた。そして、娘を虐待する夫を妻が「手助け」した事実も明かされた。

 例えば2017年11月、心愛ちゃんが小学校のいじめアンケートで「お父さんにぼう力を受けている」と告白した際、なぎさ被告は勇一郎被告の指示を受けて、「たたかれたというのはうそ」と心愛ちゃんに書き直させた。

関連記事

トピックス

4月14日夜、さいたま市桜区のマンションで女子高校生の手柄玲奈さん(15)が刺殺された
「血だらけで逃げようとしたのか…」手柄玲奈さん(15)刺殺現場に残っていた“1キロ以上続く血痕”と住民が聞いた「この辺りで聞いたことのない声」【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト