日本では年間43万件超の交通事故が起きている(警察庁「平成30年中の交通事故の発生状況」)が、国内のあらゆる事故状況を把握し、その過失割合を算定して保険金を支払う損保会社は、いわば「自動車事故のプロ」だ。
自動車保険を取り扱う全国27の損害保険会社からなる一般社団法人「日本損害保険協会」は、毎年「全国交通事故多発交差点マップ」(別掲表参照)を作成している。
特筆すべきは、街中の交番などで目にする「昨日の交通事故」データが「警察管内の発生件数」を示すのに対し、同データは事故が起きた「交差点」がどこかを、ピンポイントに示している点だ。その調査データを専門家が分析した「危険な交差点のポイント」を見ていこう。
◆交差点付近に「高速道路の出入り口」がある
高速道路の出入口が隣接する場合、ドライバーはスピードを出しすぎたり、歩行者への注意が欠如してしまうケースがある。元警察庁科学警察研究所で交通事故に詳しい伊藤安海・山梨大学大学院教授が指摘する。
「高速に進入するドライバーは、上方に示された入口の案内看板や渋滞情報に気をとられ、手前の横断歩道を渡る歩行者らへの注意が十分払えないことがあります。
降りる車は、高速を運転した感覚のままスピードを出してしまったり、出口の下り坂で加速したまま交差点に進入してしまうことがあります」