ライフ

高コレステロール薬に新たな選択肢「PCSK9阻害薬」

高コレステロールの薬には新たな選択肢が登場(写真/PIXTA)

「はい、お薬出しておきますね」。診察室での何気ないやり取りで処方される薬を、私たちは信じてのむほかない。でも、その病気や痛みを治す薬は1種類だけじゃない。効き目がない、体質に合わない、副作用がしんどい──そんなときは、思い切って薬を替えることで、症状が緩和することもあるという。

 しかし、薬の選択肢が少ない場合もある。

 女性ホルモンの分泌量が減る閉経後は、コレステロール値が上がりやすい。高血圧と並んで、処方薬を服用している人の数は多く、60才以上の女性のうち4人に1人が薬をのんでいるというデータもある。コレステロールの薬は選択肢が少ない。

 瀬戸循環器内科クリニック院長の瀬戸拓さんが解説する。

「コレステロール値を下げる薬は7種類ほどあります。現在は肝臓でコレステロールを合成する際に必要な酵素の働きを阻害する『スタチン』(HMG-CoA還元酵素阻害薬)という薬が最もポピュラーです。当院に来る患者さんには、第一選択としてまず勧める。現状では、確実にコレステロール値を下げる薬は、スタチンだけと言っても過言ではありません」

 スタチンの中でも、スタンダードなものや効果が特に強いものなど、数タイプに分かれるため、どの薬を選ぶかを主治医が決め、処方するのが一般的なのだそう。

「ただし、まれにですが、『横紋筋融解症』という副作用が現れることがある。筋肉を構成する骨格筋細胞に融解や壊死が起こり、その成分が血液中に流出してしまうもので、腎臓に負担がかかり尿が出にくくなるなどの腎障害を起こす。スタチンの処方と並行して検査を行い、副作用が心配な場合は『エゼチミブ』(小腸コレステロール輸送体阻害薬)という薬を使います」(瀬戸さん)

 しかし近年、二択だった高コレステロール薬に新たな選択肢が生まれている。

「スタチンとエゼチミブを併用してもコレステロール値が下がらない遺伝性の『家族性高コレステロール血症』の患者さんなどに使うかなり特殊なものですが、『PCSK9阻害薬』という注射薬も開発されています」(瀬戸さん)

※女性セブン2019年6月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン