ライフ

糖尿病の「SGLT2阻害薬」、ダイエットへのモチベーションUPも

ダイエットにもつながる? 注目の糖尿病治療薬(写真/PIXTA)

 男性より少ないものの、高齢になるにつれ女性にも患者が増えるのが糖尿病。自覚症状のない人も多いが、2017年の厚労省の調査によれば、女性の10人に1人は糖尿病の疑いがあるという。有楽橋クリニック院長の林俊行さんが解説する。

「糖尿病の治療で使う内服薬は主に7種類。患者さんの症状や病態によって使い分けたり、組み合わせたりして処方していきます」

 処方する際のいちばんの注意点は、低血糖を起こさせないこと。けいれんや意識障害などを引き起こすリスクがあるほか、高齢者は特に転倒の危険も高まる。

「これまでに多く使用されてきた『SU薬』というインスリンの分泌を促進する薬の場合、血糖値はよく下がりますが、食事を抜いたときや、寝ている間に低血糖が起きやすい。低血糖は認知症や不整脈の原因にもなるため、特に高齢者では注意が必要です」(林さん)

 目に見えて値が下がるため糖尿病患者の多くに処方されているのが現状だという。もちろん、医師の指導のもと注意して服用し、副作用が懸念された段階で別の薬にスムーズに移行できるのであればいい。しかし、適切に判断できる医師ばかりではない。

「糖尿病の治療は患者さんの病態や合併症の進行度によって使用する薬を替えていくことが基本です。しかし、年配の医師や非専門医の中には血糖値だけを見てSU薬を中心に処方する人も少なからず存在する。疑問を感じたら、糖尿病専門医を受診するのも1つの選択です」(林さん)

 それでは、もし別の薬に替えるとしたら何がいいのか。2014年から用いられるようになった「SGLT2阻害薬」が注目されていると林さんが続ける。

「この薬は、ブドウ糖を尿に排出させることで血糖値を下げる働きがあります。また、ほかの内服薬と異なり、体重が減少するため、ダイエットや生活習慣を改善するモチベーションアップにつながります。さらに近年では心血管疾患が減り、腎臓の機能低下を抑える作用も明らかになっています」

※女性セブン2019年6月6日号

関連記事

トピックス

指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《10年抗争がなぜ突然?》六代目山口組が神戸山口組との抗争終結を宣言 前兆として駆け巡った噂と直後に投稿された怪文書
NEWSポストセブン
川崎
“トリプルボギー不倫”川崎春花が復帰で「頑張れ!」と声援も そのウラで下部ツアー挑戦中の「妻」に異変
NEWSポストセブン
最後まで復活を信じていた
《海外メディアでも物議》八代亜紀さん“プライベート写真”付きCD発売がファンの多いブラジルで報道…レコード会社社長は「もう取材は受けられない」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《“ショーンK復活”が話題に》リニューアルされたHP上のコンサル実績が300社→720社に倍増…本人が答えた真相「色んなことをやってます」
NEWSポストセブン
依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶
女性セブン
28歳で夜の世界に飛び込んだ西山さん
【インタビュー】世界でバズった六本木のコール芸「西山ダディダディ」誕生秘話、“夢がない”脱サラ社員が「軽い気持ち」で始めたバーダンスが人生一変
NEWSポストセブン
通算勝利数の歴代トップ3(左から小山さん、金田さん、米田さん)
追悼・小山正明さん 金田正一さん、米田哲也さんとの「3人合わせて『1070勝』鼎談」で「投げて強い肩を作れ」と説き、「時代が変わっても野球は変わらない」と強調
NEWSポストセブン
行列に並ぶことを一時ストップさせた公式ショップ(読者提供)
《大阪・関西万博「開幕日」のトラブル》「ハイジはそんなこと望んでいない!」大人気「スイス館」の前で起きた“行列崩壊”の一部始終
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン