「日本ボクシング史上最強」と称されるWBAバンタム級王者・井上尚弥(26)が、その実力を世界に証明した。
各団体の世界チャンピオンが集うトーナメント「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)」バンタム級準決勝で、19戦無敗のIBF王者、エマヌエル・ロドリゲスを2ラウンドTKOでリングに沈めたのだ。
その強さに、元WBCバンタム級王者の長谷川穂積氏は「強い。それしかない」と絶句。WBCフライ級王者チャーリー・エドワーズも〈ヤバすぎる。恐怖の男〉とツイートするなど、世界中で称賛の嵐が起きている。
果たして井上の攻略法はあるのか。本誌は元WBCフライ級王者の内藤大助に話を聞いた。
「井上の強さは、“特徴がない”ことなんです。たいていの選手は“パンチ力はあるけどディフェンスはちょっと”みたいに得手不得手があるけど、井上はオールラウンドに全ての能力が高い。こういうボクサーは実はほとんどいない。まともにやったら誰も勝てません。
なので、僕なら徹底的に“トリッキー”に徹しますね。最初の数ラウンドはひたすらボディだけを打ち続けるとか、ノーガードで相手も見ずに、ありえない体勢からパンチを出すとか。ボクサーはみなガードを固めて顎を引くという意識がすり込まれているので、その意識の外側に行く。それくらいの奇策でないと、勝機は生まれない」