「衆参ダブル選挙」がにわかに現実味を帯びてきた。萩生田紘一・幹事長代行の「消費税延期」とダブル選挙発言(4月18日)を皮切りに、様々な兆候が見えてきた。この突然の解散風が永田町に嵐を巻き起こしている。与党内でさえ様々な思惑が交錯し、それぞれが勝手にダブル選後の皮算用を始めている。
菅義偉・官房長官は5月17日の会見で「(野党の不信任案提出は)当然、解散の大義名分になる」と語った。
国会の最終盤に野党が内閣不信任案を提出するのはセレモニーのようなもので、通常、与党は粛々と否決して国会を閉じる。政権を倒せない不信任案を大義名分に“解散はあり得る”というのだから、なりふり構わぬダブル選容認に他ならない。
“セレモニー”の不信任案が「解散の大義になる」という牽強付会な菅発言でひときわ強い解散風が吹き始め、野党は臨戦態勢を敷いた。
「野党が不甲斐ないから官邸の主は解散をしたくてむずむずしている」
国民民主党に合流した小沢一郎氏は参院選で野党共闘を急ぐ必要性を説き、立憲民主、共産党を含む野党5党派が、参院選の32の1人区のうち27選挙区で統一候補を立てることで基本合意した。
野党以上に慌てたのは自民と連立を組む公明党だ。
「いま解散になれば関西の議席は全滅しかねない」。公明党OBはそう語る。