国内

川崎襲撃、“居候”扱いされた容疑者の“兄”はカリタス出身

事件現場には児童たちが乗っていたスクールバスが(時事通信社)

「警察? 今、おまわりさん来てるよ。事件のことなんて、なんにもわかんないよ。そんなことおれに聞かないでよ!」

 絶叫に続いて響いたのは、川崎襲撃事件の犯人と目される岩崎隆一容疑者(51才)の“父親”が、受話器を荒々しく置く音だった。

 事件は5月28日の朝、神奈川県川崎市の閑静な住宅街で起きた。前日までの暑さが少しやわらいだ「三角公園」の名で親しまれる公園近くのバス停で、スクールバスを待つ女子児童の列があった。この学校では先週の土曜日に運動会が行われたばかり。前日の月曜日は運動会の振替休日で、この日は3日ぶりの登校だった。

 スクールバスが到着すると、近くのコンビニあたりから、ひとりの男が歩いて近づいてきた。姿勢は少し前のめりで、黒の半袖シャツにデニムパンツを身につけている。刈り上げた頭髪は白い。

 両手には2本の柳刃包丁。男は一気に距離を詰めると、表情一つ変えずに、手当たり次第に子供たちに包丁を振り下ろした。「怖いよ!」「ママ!」などと子供たちは叫びながら散り散りに。それでも男は執拗に一人ひとりを追いかけて、包丁を振り下ろした。

 見送りに来ていた保護者は、突然のことに戸惑いながらも小さな命を守ろうと懸命に身を挺する。その背中にも男は容赦なく包丁で切りつけた。

 スクールバスの運転手がバスから転げ落ちるように降りて「何をやってるんだ!」と叫ぶと、男はすかさず真っ赤に染まった包丁を、自分の首に突き立てた。

 救急隊が到着すると、最初に行われたのがトリアージだった。トリアージとは、緊急度や重症度などに応じて手当の優先順位をつけることだ。

「小学6年生の女児と39才の男性の2人が“黒”、つまり、手の施しようがないと判断されました。女児は鎖骨から頸部にかけて真横に1か所。男性は首の前側や背中など4か所も刺されていた。子供を必死に守っていたことがうかがえます。搬送された病院の救急救命センターで治療を受けましたが、及びませんでした。病院側が会見で『激しい怒りを感じる』と言葉を強めていましたが、傷の状態がそこまで酷かったということでしょう。

 それから現場で“赤”、つまり最優先で治療すべきと判定されたのは、小学生の女児2人、40代女性1人、そして、50代男性です」(全国紙記者)

 その“赤”の男が、岩崎だったが、程なくして死亡が確認された。被害に遭った児童たちが通っていたのが私立の名門校、カリタス小学校だった。

「都内から通う子も少なくない、カトリックの“お受験校”で、幼稚園から高校まであります。登校には原則として市営バスかスクールバスを使うことになっています。

 小学校の時から英語だけでなくフランス語の授業もあり、帰国子女からの人気も高く、インターナショナルスクールからの転校生もいる。中学校からは女子校ですが、小学校は共学。学費は6年間で500万円にも上る。共学といっても男子児童の数はごく限られていて、実質的には女子校ですね。そのせいか、学校近辺では不審者の目撃情報も多いようで、川崎市による防犯アプリを使う親御さんもいます」(進学塾関係者)

◆「クレーマー居候」評もあった

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平とAさん(球団公式カメラマンのジョン・スーフー氏のInstagramより)
「妻と会えない空白をギャンブルで埋めて…」激太りの水原一平が明かしていた“伴侶への想い” 誘惑の多い刑務所で自らを律する「妻との約束」
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
福井放送局時代から地元人気が高かった大谷舞風アナ(NHKの公式ホームページより)
《和久田麻由子アナが辿った“エースルート”を進む》NHK入局4年で東京に移動『おはよう日本』キャスターを務める大谷舞風アナにかかる期待
週刊ポスト
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
緊急入院していた木村文乃(時事通信フォト)
《女優・木村文乃(37)が緊急入院していた》フジ初主演ドラマ撮影中にイベント急きょ欠席 所属事務所は「入院は事実です」
NEWSポストセブン
2023年7月から『スシロー』のCMに出演していた笑福亭鶴瓶
《スシローCMから消えた笑福亭鶴瓶》「広告契約は6月末で満了」中居正広氏の「BBQパーティー」余波で受けた“屈辱の広告写真削除”から5カ月、激怒の契約更新拒否
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン