「衆参ダブル選挙」がにわかに現実味を帯びてきた。この突然の解散風が永田町に“嵐”を巻き起こしている。
平成最後の日となる4月30日、麻生太郎・副総理が安倍晋三・首相の私邸を訪ね2時間密談した。そこで話し合われたのが解散問題だという。安倍首相の決断を注視しているのが解散を勧めたとされる麻生氏だ。政治ジャーナリスト・角谷浩一氏が語る。
「麻生さんは総理返り咲きを諦めていない。地元では息子に世代交代を求める声が強く、次の総選挙が東京五輪後になれば80歳になる麻生さんは引退になる可能性が高い。なんとか早期解散でもう1期議員をやりたい」
そんな麻生氏に出番があるとすれば、ダブル選挙で自民党が衆参で大敗した場合だろう。「大敗」とはいいつつも、野党の現状から、ダブル選挙で自公で過半数を失い政権交代――という事態はほとんど想定できない。
ただし、選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏は「野党が衆参の各選挙区で候補を一本化できれば、自民党が前回総選挙並みの得票率でも、衆院で50前後の議席がひっくり返り、参院でも20議席減の敗北はありうる」と見ている。
そうなると、自民党が政権を維持するには公明党との連立が欠かせない。公明の発言力が増して憲法改正発議は遠のき、役割を終えた安倍首相は退陣に追い込まれる。
そのとき、自民党再生を担う総理候補に小泉進次郎氏の名前が浮かぶが、そうはならない。