5月27日午前9時過ぎ、来日したアメリカのドナルド・トランプ大統領(72才)は、天皇陛下即位後最初の国賓として、皇居・宮殿「竹の間」で会見を行った。
今回、トランプ氏とメラニア夫人(49才)を国賓として迎えるにあたって、宮内庁内部ではある不安が囁かれていたという。
「トランプ氏は2017年に上皇陛下と会見した際、陛下の右腕を自身の左手でポンポンと親しげに触り、関係者を驚かせました。それだけ“不測な人物”であるがゆえに、日本の皇室についてどれだけの理解があるのか、図りかねる面があった。長い晩餐会の最中にトランプ氏が、たとえば北朝鮮やイランとの複雑な外交情勢について両陛下に話しかける事態も考えられた」(宮内庁関係者)
会見に先立ち、両陛下は駐米大使からアメリカの国内事情や日米関係についてレクチャーを受けられた。ただ、ある官邸関係者は「雅子さまに限っては、そうした心配はまったくなかった」と話す。
「雅子さまは元外交官としてアメリカやヨーロッパに加え、イランやイラクなど中東方面の外交情勢にも造詣が深い。実は療養中にも外交官や国際司法裁判所判事だった父親などから外交の最新の知見は学ばれていたそうです。
陛下にとっては、国際情勢を熟知する“最強のブレーン”がすぐ近くにいるわけですから、これほど頼もしいことはありません」
会見中、贈り物の交換が行われた。陛下はトランプ氏に大型の飾り鉢を、メラニア夫人には金細工の飾り箱を贈られた。夫妻からは陛下に80年以上前にアメリカで製造されたビオラが、雅子さまには母校ハーバード大学の木で作ったペンが贈られた。
「雅子さまはプレゼントのビオラを受け取った際、陛下に“今日(の晩餐会で)、お弾きになられたら”とユーモアで場を和ませたそうです。
晩餐会のメニューの肉料理は、宗教上の理由で食べられない人が少ない羊肉を選ぶことが多い。しかし、今回のメインディッシュは、トランプ氏側からの要望で牛肉のステーキが選ばれた。もちろん雅子さまも了承されていたはずです。前例にとらわれず、令和流の新しい国際親善がついに始まったと感じます」(皇室記者)
皇室の伝統的な厳かな振る舞いの中にも、国際感覚と知性と気配りが光る──。これが新しい日本の皇室の姿なのだと、トランプ夫妻は心に刻んだに違いない。
「リーダーとして素晴らしいだけでなく、カップルとしても素晴らしいと感じました」
トランプ氏は両陛下にそう伝え、帰国した。
※女性セブン2019年6月13日号