「頭が痛い」「疲れがたまる」「眠れない」など、更年期障害だと思っている症状のなかには、更年期が原因ではないものも多いという。正しく理解すれば、症状がラクになり「早ヌケ」にもつながる。
「50才を過ぎてから、発汗や手足のしびれなどの更年期障害に悩まされるようになりました。“もうそろそろヌケるかな”と期待しても、少しすると同じ症状が繰り返されるので気が滅入ります。なんとか、更年期障害を早くヌケる方法はないでしょうか」(都内在住・52才主婦)
多くの女性を悩ませる更年期障害。終わりそうで終わらない不快症状がなんとも罪作りで、憂鬱な日々が続く。悪化するとうつ状態になり、日常生活が送れなくなるケースもある。
そもそも「更年期」とは、卵巣の機能が衰え、「エストロゲン」という女性ホルモンが規則的に分泌されなくなる45才から55才くらいの期間を指す。この時期、ホルモンのバランスが崩れることで身体的、精神的に生じるさまざまな症状が「更年期障害」だ。
「気をつけてほしいのは、更年期障害と思っている症状のなかには、実は更年期障害ではないものがあることです」
と語るのは、よしかた産婦人科副院長の善方裕美医師。自身も更年期の真っ只中という善方さんは、「本来の更年期障害」と「それ以外の症状」を区別すべきと指摘する。
「本来の更年期障害は、女性ホルモンの欠落から起こるもの。それに該当するのは、『ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)』『肩や首のコリ』『腰・手足のしびれ』『イライラするなどの精神障害』など。
一方で、更年期を過ごす女性によくある『睡眠障害』『肌荒れ』『髪の毛の変化』『物忘れ』『疲労感』といった症状は、加齢による体力の低下や生活上のストレスなどが背景にあり、女性ホルモンの欠落とも重なるので、更年期障害なのかどうかわからず、不安になってしまう。それらの症状は更年期障害に付随して起こるケースが多いため、更年期障害だと勘違いしてしまうんです」
善方さんの指摘通りに分類すると、これまで更年期障害とされた症状の3分の2が「それ以外」に該当する。
「本来の更年期障害」の治療を積極的にやってみることが、「早ヌケ」のコツだという。