スクールバスを待つ小学生に次々に襲いかかり、両手に持った刺身包丁で20人を殺傷した凶悪犯、岩崎隆一(51)。彼をめぐる報道を見ていると、違和感が拭えない。なぜ、中学時代の写真しかなく、それ以降の足取りが一向に掴めないのか。40年にもわたる孤独の深淵に迫った。
事件の発生直後、現場に向かった本誌記者は、岩崎容疑者の自宅の電話番号を入手。事件発生から約3時間後、記者は電話をかけた。
──岩崎さんのお宅ですか。
「……うん」
年配の男性が応対した。岩崎容疑者の父親かと思った記者は、こう聞いた。
──こちらに隆一さんという息子さんはいますか?
「……いるような、いないような」
──警察から連絡は?
「警察? 今、来ていますよ」
──事件についてですが。
「事件についてっていうけど、事件のことなんて何もわかりませんよ」