25歳の時に『暴れん坊将軍III』で女優デビューして以来約30年が経ち、今ではベテランの域に達した。
「自分ではまだまだだと思いますが、かといって新人でもない。責任を持った芝居、仕事をしないといけないと意識しています。今までの経験をしっかり生かさなければいけない。でも自分の芝居や経験に凝り固まって、頑固な女優にはなりたくない。座長が言われるお芝居を理解して、なるべくその芝居に早く近づける、それがベテラン女優のあり方だと思っています」
ベテランでありながら柔軟な対応力を兼ね備える。今回の舞台についても「新しいことを吸収するという気持ちで参りました」と語り、その謙虚さがこれまでの彼女の軌跡を作り上げたと思わせた。これまでの女優人生を振り返り、感想を聞いた。
「よくぞここまできました(笑い)。主演どうこうよりも、長く継続してお芝居が続けられる環境にある。頑張ってきた甲斐があるなと思うし、環境にも恵まれたと思います。自分の努力も多少はあるのかもしれませんが、頑張るのは当たり前です。
何より作品は1人ではできませんので、作品との縁、人との縁……すべて縁かなと思いますね。周りの皆さんへの感謝しかないです。これからもどんな役柄でも挑戦させていただきたいと思っていますし、60、70歳を過ぎてもこの仕事をやれていたらいいなと思っています」
【プロフィール】たかしま・れいこ/1964年7月25日生まれ、神奈川県出身。1988年「とらばーゆ」のCMでデビュー。映画『極道の妻たち』シリーズやNHK大河ドラマ『天地人』など多数の作品に出演。2001年に映画『長崎ぶらぶら節』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。現在レギュラー番組『高島礼子が家宝捜索!蔵の中には何がある?』(BS-TBS、毎週木曜日、21時~)が放送中のほか、出演作の映画『アパレルデザイナー』が今秋公開予定。
撮影■橋本雅司 取材・文■斉藤裕子
※週刊ポスト2019年6月14日号