5月28日まで4日間の日程で来日したトランプ米大統領。天皇陛下との会見も予定されていたため、宿泊先は皇居にも程近い御三家ホテルの「帝国ホテル 東京」になるものと思われていたが、実際に宿泊したのは「パレスホテル東京」だった。同ホテルが選ばれた理由について、ホテル評論家の瀧澤信秋氏が解説する。
* * *
令和初の国賓として来日したトランプ米大統領。アメリカ大統領であることは言わずもがな、不動産王としても知られホテルも所有している。“トランプ・ホテル”にはフォーブス・トラベルガイドで5つ星ランクに格付けされるラグジュアリーホテルも多い。そんなトランプ氏が国賓として来日するということで、どこのホテルに宿泊するのかはホテル評論家として大きな関心があった。
通常、国賓として来日した要人は、元赤坂の迎賓館に宿泊するのが通例といわれる。かつて国賓として来日した第42代クリントン大統領も迎賓館に宿泊。一方で、滞在の効率性やハードの快適性など様々な理由からホテルの利用も一般的になってきた。
オバマ大統領が2014年に国賓として来日した際は「ホテルオークラ東京」に宿泊し、トランプ大統領は2017年に来日(公式実務賓客)した際には「帝国ホテル 東京」を利用した。
今回のトランプ氏来日では、現在本館の建て替え工事中のホテルオークラは候補から外れたとしても、やはり帝国ホテルが最有力と言われてきた。ところがフタを開けてみると「パレスホテル東京」だった。皇居に隣接した立地という点から天皇、皇后両陛下に拝謁する際にも利便性が高いといった推測もなされ、同ホテルが脚光を浴びることになった。