どんどん進化する洗剤に加え、最近は洗剤を使わない洗濯グッズが登場するなど、さらなる発展を見せている洗濯業界。最新商品を専門家たちはどのように評価しているのだろうか。
今年の洗濯洗剤のニュースといえば、新たな界面活性剤として商品化された「バイオIOS」だ。パーム油の残りかすとなる部分を再利用していてエコな上、洗浄力の高さも評価が高い。
さらに、洗濯洗剤を独自に研究する人気ブログ「ハナの洗濯ラボノート」を運営するハナさんが最近の洗剤の流行だというのが「消臭力」の強さだ。
「ランニングをしたりジムに通う人が増えたこともあって、汗をよく吸収する高機能ウエアが人気ですが、ああいった化学繊維の衣類は汗のにおいがつきやすく、洗ってもとれにくいんです。そのにおいをとることに特化した、“スポーツ用”の洗濯洗剤は、驚くほど消臭効果が優れていて、においはスッキリとれます。
ただ、洗剤自体の香りが強めなものが多く、気になる人もいるかもしれません。洗浄力の成分は一般的な洗剤と変わらないので、普段の洗濯に使っても生地が傷む心配はありません」
ドラム式洗濯機の普及に伴い、ドラム式専用の洗剤も登場している。
「ドラム式洗濯機は、縦型に比べて節水効果が高い半面、すすぎが足りず、洗剤が残ってしまうことがあります。そのため、洗濯物が黒ずみやすいんです。ドラム式専用の洗剤は、水に溶けやすく、黒ずみを防ぐ成分が配合されている。最新のドラム式ほど、節水効果が高い傾向にあるので、洗剤も専用のものを使う方がいいでしょう」(ハナさん)
梅雨の時期、部屋に干した洗濯物の生乾き臭に悩む人も多いだろう。それを解決するには、やはり部屋干し洗剤を使うのが得策だ。実践女子大学生活科学部教授の牛腸(ごちょう)ヒロミさんはこう言う。
「部屋干し洗剤には、除菌・抗菌物質が入っています。太陽の紫外線には殺菌作用がありますが、部屋干しすると陽の光に当たらず菌が増殖するため、洗剤の除菌・抗菌効果を利用した方がにおいは抑えられます」
また、同じブランドの商品でも、容量が少ない「濃縮タイプ」と、通常タイプがある。濃縮タイプの方が洗浄効果が高いのだろうか。
「濃縮洗剤は、界面活性剤の含有量が多いため、使用量が少しで済みます。洗濯をする上では、それ以外は通常の洗剤と変わりません。ただし、濃縮洗剤は通常の洗剤以上に、雑に扱わないよう気をつけてください。数倍もの量の界面活性剤が入っているので、分量を少しオーバーしただけでも、大幅に洗剤の入れすぎになってしまいます。取扱説明書をよく読んで、濃縮のものほど正確に量って」(牛腸さん)
置き場所の幅を取らないコンパクトなボトルは濃縮洗剤の大きな魅力の1つなので、収納場所に合わせて好みを選ぶといい。