2018年10月に開場した「豊洲市場」をはじめ、オフィスビルやタワーマンションなども建ち並び、活気に満ちている東京都江東区・豊洲エリア。だが、住宅ジャーナリストの榊淳司氏は、「街全体の発展には危うい要素も多い」と指摘する。同氏が実際に現地を歩いて予感した“豊洲の未来”とは?
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築地市場の移転先として知られている埋立地の「豊洲」。最寄りに地下鉄有楽町線の豊洲駅があり、駅前のららぽーとは近隣エリアにとっては中核の商業施設となっている。
街を見渡すと、超高層の建造物ばかりが目に付く。オフィスビルにタワーマンション。どれもここ20年ほどの間に建てられた。
じつは、この豊洲というのは大まかにいって2つのエリアに分けられる。地名でいえば1丁目から5丁目と、6丁目。地図で見ると、この2つのエリアの大きさはあまり変わらない。そして、6丁目と呼ばれる大きな「島」は、つい最近まで開発がほとんど行われていなかった。だからこそ、新市場向けの広大な土地が提供できたのだ。
一方、1丁目から5丁目の中心には早くから有楽町線が延伸したので、それなりに開発が進んだ。そのあたりは三井系のIHI(旧石川島播磨重工業)が造船所として使っていた地域。だから三井不動産が中心となってららぽーとやタワーマンションを開発した。
だが、そんな豊洲の目覚ましい発展とは裏腹に、実際に街並みを見ていると、かなり危うい未来を予感させる。