ライフ

園児の声に「うるさい!」と怒る高齢者、耳の衰えが原因かも

老化現象の正体は「聴力の衰え」かも

 忘れっぽい、人の言うことを聞かない、やたらと怒鳴る──。「年を取って人が変わった」と言われるのは、こうした症状だ。しかし、それをただの老化現象と片付けていいものだろうか。

 もしかしたらすべて、「耳の衰え」が原因かもしれない。日本老年精神医学会専門医で横浜相原病院院長の吉田勝明氏は語る。

「家族や周囲を困らせる高齢者のさまざまな言動は、実は単に“耳の聞こえが悪いから”という原因に集約されるケースが多い。すなわち、『老人性難聴』です。聞こえていなかっただけなのに、周囲からすると“忘れっぽくなった”とか“言うことを聞かなくなった”と思われてしまう。聞こえないからイライラするようになって、怒りっぽくなったと言われたりする。自分の声も聞き取りづらくなるので、自ずと声が大きくなってしまうことも、怒鳴っているように周囲からは感じられてしまいます。

 老人性難聴が進むと、だんだん家族や友人とコミュニケーションが取りづらくなっていきます。そうなると家族で外出するときも『私はいいや』と引きこもりがちになったり、友人からは『あの人は誘わない方がいいね』と敬遠されたりする。老後生活が暗転するきっかけになってしまうのです」

 都内在住の元会社役員・Aさん(71)が、まさにそうだという。

「現役を引退してから年々、聞こえが悪くなっています。以前はマンションの自治会を仕切っていて“御意見番”なんて言われていたのに、最近は集会に出席しても、参加者たちの話す内容が聞き取れず、議論に参加することができません。“最近は静かですね”“元気がないですね”などと言われると暗い気分になります。周囲の会話が聞こえないから陰口を叩かれているのではないかと疑心暗鬼になってしまい、集会に出席するのが億劫になってしまいました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
NASAが発表したアルテミス計画の宇宙服のデザイン(写真=AP/AFLO)
《日本人が月に降り立つ日は間近》月面探査最前線、JAXA「SLIM」とNASA「アルテミス計画」で日本の存在感が増大 インドとの共同計画や一般企業の取り組みも
週刊ポスト
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト