都内に住む治子さん(43才・仮名)の2人の娘がいる。高校2年生の長女がある日、付き合っている彼氏・Tくんの要望に応えて、自分のセクシーな写真を送ってしまったという。問題はそこからで、長女が送った写真をTくんが部活仲間のLINEグループに一斉に送ってしまったのだ。その後、拡散に拡散を重ね、治子さんも外を歩けないほどになり、長女はうつ病となり10kgも痩せてしまったという。
このような悲劇に対して、私たちはどのように対応したらよいのだろうか?
◆うかつに画像など送らない
交際していた頃に撮影した裸の写真が、後日、相手によってばらまかれてしまう『リベンジポルノ』のように、軽い気持ちで送信したデータが、ネットで拡散してしまうケースは少なくない。
インターネットトラブルに詳しい『グリー』社会貢献チーム・マネージャーの小木曽健さんはこう語る。
「思慮分別のまだつかない中高生はもちろん大人でも『恋人だから大丈夫』と、うかつに画像を送ってしまう人がいます。被害に遭っても、誰にも相談できず、私のところに連絡してくる人も多いです」
誰もが見られるネットの掲示板でなくても、LINEなどのメッセージアプリでどんどん恥ずかしい写真が拡散されていくのも代表的な“デジタルタトゥー”。枝分かれ式にどんどん広がっていけば、火消しはまず不可能。さらに広がっていく可能性がある。
◆自分じゃないとシラを切り通す
治子さんの長女の場合、写真を要求し、拡散したTくんが悪いが、写真を送ってしまった長女にも問題はある。
「未成年が自分の裸の写真を撮ったり、送ったりする行為は、児童ポルノを禁止する法律に触れる可能性があります。つまり、長女も違法行為をしている可能性がある。まずそれは認識すべき。当然それを所持し、拡散することも同様です」
ではどのように対処すればいいのだろうか。
「拡散した相手を訴えるかどうかは別として、一度流出したものを完全に消し去る、根絶やしにすることはほぼ不可能。その場合、流出した画像に対して『これは自分ではない』と、絶対に認めないことも1つの方法です。
顔や個人特定のできる情報が含まれていたとしても『合成、ねつ造だ』とシラを切っていいでしょう。真実かどうかなんて、本人が知っていれば充分。第三者には不要な情報です。『許されるウソ』も、時と場合によってはあるのです」