ここ4年も1番人気は勝っておらず、1~3番人気馬はそれぞれ1回ずつしか馬券圏内(3着以内)に入っていない。9番人気がからんでいないだけで、1番人気から12番人気までまんべんなく上位にきているという難解さ。とはいえ、出走してくるのはGⅠ級ばかりで、極端な人気薄の連対は少ないため、馬連の万馬券は3回だけ。昨年も、7番人気と10番人気という決着だったにもかかわらず9200円にとどまったのは、人気が割れていたからだ。今年もGⅠ馬が6頭出走してくるので、人気が1頭に集中することはないだろう。
このレースもノーザンファーム生産馬が4連勝中。ただし、そこに見えるのは強さより層の厚さ。勝ったのはいずれも主役ではなく伏兵的存在の馬だ。今回ノーザンファームの主役はレイデオロか。アルアインはGⅠ勝利がいずれも9番人気という「伏兵」だが、さすがに今回は人気。しかし、予想紙によっては評価が分かれている印象だ。リスグラシューは「伏兵」というには失礼だが、勝ち切れていないため4~5番人気に落ち着きそうだが、オッズ次第では単勝に妙味がある。
1~4枠に人気馬が1頭ずつということで、単勝と枠連を軸に戦略を立ててみてはどうか。たとえば4枠を軸にすれば、8枠に「伏兵」が2頭同居していて総流しも7点ですむし、前日午前中の時点ではすべて10倍以上ついている。三連単で好配当を狙おうとすると点数に歯止めがかからなくなりそうだし、ワイドや三連複では、3着以内に人気薄が2頭来ない限り好配当は望めない。枠連で物足りない部分を単勝で補うのというのはどうだろう。
●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター
※週刊ポスト2019年6月28日号