諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が推奨する健康法が「スクワット」と「かかと落とし」だ。自身、それによって体が軽くなり、若返ったようだという。そんな鎌田氏が、ライフワークとしているイラクの医療支援の際、現地の人たちにその健康法を教えたときのエピソードを明かす。
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先月中旬、イラクのアルビルへ行ってきた。仕事が2つあった。
その一つは、ぼくが代表をしているJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)が、小児がんの子どもを支援する新たな拠点、JIM-NETハウスのオープニングセレモニーに出席するためである。
もう一つは、難民キャンプや地域でのヘルスプロモーション(健康増進)だ。やはりぼくが代表をしているJCF(日本チェルノブイリ連帯基金)では、難民キャンプに5つのPHC診療所を作ってきた。
初めは、コンテナの仮設診療所だったが、日本で募金活動して医薬品を送ると、難民のドクターが難民の患者を診るというシステムが出来上がった。これはイラクで高く評価された。
プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)の大切さが国際的に認知されたのは、1978年のアルマ・アタ宣言である。すべての人が健康になることを目標にするなかで、健康は一方的に与えられるものではなく、市民自身の「参加」「自助」「自決」が大事だと明言している。
難民キャンプの人たちは、生きるために戦乱から逃げて来た人たちだ。快適とは言えない環境で、ストレスを抱えながら、どうやって自分の健康を守っていくか。支援するぼくたちも、ただ医薬品を送るだけではなく、難民キャンプの人たちの「参加」「自助」「自決」を促し、自分で健康を守るということをサポートすることが重要になる。