ビジネス

「新幹線のお医者さん」ドクターイエロー引退説を追う

東京駅に入線する通称「ドクターイエロー」(時事通信フォト)

東京駅に入線する通称「ドクターイエロー」(時事通信フォト)

 新幹線のお医者さんとして知られる「ドクターイエロー」は、その名の通り黄色い車体が特徴の、東海道・山陽新幹線を走行して線路状態を感知して測定データを収集し検測するための車両だ。『新幹線変形ロボ シンカリオン』に登場したときも話題を集め、おもちゃは品切れが続出するほどの人気者だ。ライターの小川裕夫氏が、新型新幹線N700Sが導入されるのにあわせて、引退の噂が強くなったドクターイエローについてレポートする。

 * * *
 1964年に登場した新幹線0系は、“夢の超特急”と呼ばれた。それから半世紀以上が経過。JR東海が2020年のデビューを目指して開発を進める新型新幹線N700Sは、6月6日の速度向上試験で時速362キロを記録。試験後のカコミ取材で、JR東海新幹線鉄道事業本部の上野雅之副本部長は「現在、考え得る技術の最高結晶」と胸を張った。

 新幹線は、それまでの「鉄道は斜陽化している」という世界の常識を一蹴した。そして、いまや先進国のみならず経済発展が著しい新興国からも日本の技術を用いた新幹線およびシステムに熱い視線が注がれている。

 JR東海やJR東日本が積極的に開発を進める次世代新幹線が期待を集める一方、N700Sのデビューと前後してドクターイエローが引退するのではないか? という噂が、鉄道ファンの間に広がっている。

 ドクターイエローの外観は、通常の東海道新幹線と区別できるように黄色をベースにしている。正式名称は、新幹線電気軌道総合試験車というもので、旅客運転をしているわけではない。そのため、実際に目にする機会は少ない。

 他方、テレビや新聞・雑誌などの新幹線特集では、ドクターイエローは頻繁に取り上げられる。

 新幹線の線路のゆがみや架線・信号設備の異常を検知する重要な役割を果たすドクターイエローは、ファンから“新幹線のお医者さん”としても親しまれてきた。

 黄色の車体からドクターイエローと呼ばれるわけだが、なかなか目にできない希少性から“目撃したら幸せになれる”という都市伝説めいた話も流布する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン