次世代新幹線の話題が最近、にぎやかだ。先日、JR東海が開発するN700S速度向上試験が報道公開されたが、それより少し前にJR東日本は新幹線試験車両のE956形式新幹線電車「ALFA-X(アルファエックス)」を報道向けに公開している。東海道新幹線は主に過密ダイヤ改善や快適性向上を目指しているが、それとは異なる目的で開発されているJR東日本の新型新幹線について、ライターの小川裕夫氏がレポートする。
* * *
2020年のデビューを目指して開発を進めるJR東海の新型新幹線N700S系は、6月6日の速度向上試験で最高時速362キロメートルを記録した。
現在、東海道新幹線は時速285キロメートルで営業運転中だが、それを約75キロメートルも上回るスピードを出したことで、N700Sが高性能車両であることを改めて世界に発信した。
しかし、次世代新幹線を開発しているのはJR東海だけではない。JR東海と競うように、JR東日本も独自に次世代新幹線の開発を進めている。
元をたどれば、JR東日本と東海は同じ国鉄という間柄になるが、分割民営化してから30年以上が経過し、互いを刺激し合ういいライバル関係を築いている。通称「ALFA-X(アルファエックス)」と呼ばれるJR東日本の次世代新幹線は、報道陣に公開された直後から大きな反響を呼んでいる。
「ALFA-Xは、試験走行時に時速400キロメートルを目指しています。しかし、雨や風といった気象条件、そのほかにもスピードを出せないケースがあります。条件が整った試験走行時に時速400キロメートルを出せなければ、実際の営業運転時に時速360キロメートルを出すことはできません」と説明するのは、JR東日本の広報部報道グループ担当者だ。