6月12日のデビュー戦で、5回1失点でプロ初の勝ち星を挙げたプロ野球日本ハムの吉田輝星(18)。相手はセ・リーグ3連覇中の広島、しかも投げ合う相手は昨季最多勝のエース・大瀬良大地(28)。高卒ルーキーの門出には酷ではないかと思われたが、このデビュー戦は“策士”栗山英樹監督(58)の計算だった。
「データ重視の現代野球では、過去に対戦のない“初物投手”にてこずる。その点、広島は、日ハムとリーグが違ううえ、二軍もイースタンとウエスタンで異なるから二軍戦でも吉田のデータは取られていない。広島の打者は吉田の独特の球筋に驚いていましたが、栗山監督からすれば読み通りだったのでしょう」(スポーツ紙記者)
肘のハリで直前に回避されたが、本来、吉田の初登板は6月7日の阪神戦が予定されていた。さらにプロ2戦目に設定したのも初登板から10日以上も間隔を空けた中日戦。この3チームはすべて、栗山監督の“選定条件”に合う。
「デビュー戦の結果は今後のプロ生活を左右しかねないだけに、将来のスター候補に初勝利をプレゼントしたかったんでしょう。栗山監督は同じやり方で、大谷翔平(24)にプロ初勝利を挙げさせています」(同前)