空前の“うんこブーム”が起きている。『うんこ漢字ドリル』(文響社)がシリーズ累計400万部を突破し、玩具店では「うんこスライム」がバカ売れ。「うんこミュージアム」(横浜市)は週末ともなれば整理券が出るほどの盛況である。
ブームを支えているのは子供たちだが、「大人にとっても、うんこは非常に重要なファクターです」というのは、大便研究の第一人者で、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎氏だ。
「人間は口から肛門まで、消化器官でつながっている。大便はその状態を如実に示します。どこかの部位に異常があれば、大便の異変となって現われるのです」
とりわけ胃から大腸にかけては、がん、潰瘍など、心配な疾病が発生しやすい場所でもある。それゆえ、毎日の観察=「観便」が大切だと大竹氏は力説する。
「とくに高齢者になるほど、腸内環境が悪化し、悪玉菌が増えて匂いがきつくなる、一気に出ずに残便感があるなど、異変が現われやすい。観便は、知られざる病気リスクを発見するうえで、最も簡単にして明快な方法です」
大便は、数々の病気リスクを伝える貴重な健康のバロメーターだった。