交流戦優勝をあと一歩のところで逃した巨人。だが、この18試合で若手が大きく成長してきた点は見逃せない。野球担当記者が話す。
「昨年、岡本和真が4番に定着するまでに成長したが、それ以外に若手で使われ続けたのは吉川尚輝くらい。他のスタメンはベテランや外国人が占めていた。今年は2年目の大城卓三を交流戦18試合中17試合スタメンで起用し、主に5番を打たせた。同じく2年目の若林晃弘は交流戦の規定打席に達し、3割3分3厘。交流戦終盤には、陽岱鋼やゲレーロを抑え、重信慎之介が7試合連続でスタメンに名を連ねた」(以下同)
原監督は、たとえ失敗しようと若手にチャンスを与えている。6月19日のオリックス戦、1点を追う9回裏無死一塁で、ビヤヌエバの代打・山本泰寛がバントを試みるも失敗。その後、ランナーを三塁まで進めたが、追い付けずに敗れた。翌日、雪辱を期す山本は6回裏に代打で登場すると、センター前ヒットを放ち、丸佳浩の同点2ランを呼び込んだ。
「1度の失敗では見捨てない。必ずリベンジの機会を与えるので、若手も成長できる。20日のオリックス戦では5回裏一死からヒットで出塁した俊足の重信に対して、『2点ビハインドで打順が下位打線に向かうところで、3球あってスタートを切れないと特長が生きない』と諭した。普通の監督は、結果だけ見て選手に注文をつけがちだが、原監督はトライしなかったことに言及した。あまり聞けないコメントです。
かといって、重信を干すわけでもなく、翌日もスタメンで使った。こうなると、重信も期待されているから怒られていると理解しやすい。翌々日のソフトバンク戦では、7回に甲斐拓也から盗塁を決めた。原監督のアメとムチが見事に効いています」