企業や商品の公式Twitterアカウントを利用したプレゼント企画は、参加するだけでプレゼントがもらえると人気が高く、よく行われている。しかし、当選したのに何も送られず、連絡がとれなくなり、迷惑メールが激増したと被害を訴える人も多い。SNSの最新事情と犯罪被害に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、Twitterのプレゼント当選詐欺について解説する。
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Twitterの応募プレゼント企画のほとんどは、応募資格に企画を主催するアカウントへのフォローとリツイートが条件として入っている。ユーザーにとっては、フォローしてリツイートするだけで簡単にプレゼントがもらえる可能性がある嬉しい企画だ。応募して当たったという人も周囲におり、「本当に送られてきた、嬉しい!」と写真付きでツイートしていた。
しかし、特に主催アカウント側にメリットが見当たらないプレゼント企画専用のアカウントの場合、問題があるものが多いのが実態だ。
「最新のiPhoneが当たる」というTwitterプレゼント企画に参加した女子大学生に、DMで当選通知がきた。しかし、しばらくしてから「迷惑メールが大量に届くようになりました」と眉間にしわを寄せる。迷惑メールのなかには出会い系の内容も多く、勝手に登録されたらしいそのメールアドレスは事実上、使えなくなった。当選を知らされたプレゼントは届かないし、不愉快な思いしか残っていない。
落ち着いて振り返ると、彼女が応募したTwitterプレゼント企画は主催母体がはっきりしない、ある意味で典型的な詐欺アカウントだった。
しかし、プレゼントを当選しましたとだけ知らせて、商品を送らない。いったい、そのアカウント運営には、どんなメリットがあるのか。
◆登録紹介手数料ゲットが目的
まともなプレゼント企画に応募して当たった場合、DMで送付用の送り先を聞かれたり、送り先住所登録用のURLが送られてくる。一方、詐欺アカウントのプレゼント企画に応募して当たった場合、DMで様々なポイントサイトや情報商材サイトなどに登録を求めてくることがほとんど。アプリをインストールさせるケースもある。同時に、「登録画面・アプリをスクショして(画面の画像を撮って)送ってください」などと言ってくることは多い。
大抵の場合、サイトへ登録させる紹介料を目的にしていると考えていいだろう。ポイントサイトへの紹介なら一人につき数百円、情報商材サイトであれば数千円が得られる。
かつては、そういったサイトへ誘導するつぶやきをするTwitterアカウントを作成し、活動中のアカウントを片端からフォロー。フォローされるとそのアカウントの様子を見たり、自動的にフォローを返すなど反応する人を対象に、紹介料を得るやり方が主流だった。しかし、その成功率が低下しているのか、最近は「プレゼント」という仮面をかぶって同じ目的を遂げようとしているようだ。
実際にDMで求められるまま登録した人に聞くと、登録をしたというスクショを送っても、その後まったく連絡がこなかったという。もちろん、プレゼント商品など手元にやってこなかった。その後、プレゼント企画を主催していたアカウントは削除されていたそうだ。紹介手数料を手に入れた後は、当選した人に対してアカウントをブロック、DMやリプライなどの連絡を取れないようにして対応しているところもあるようだ。