芸能

「闇営業」問題 芸能界VSネット界みたいな対立図式はおかしい

闇営業でパーティーに出席した宮迫、カラテカ入江慎也、ガリットチュウ福島善成

 釈明、謝罪に続いて擁護、批判、論評の類も渦巻いている。「闇営業」問題の本質はどこにあるのか。コラムニストのオバタカズユキ氏が指摘する。

 * * *
 バレバレなのにウソをつく人がいる。誰がどう考えたって、そいつがやっていないはずがないのに、「決してやっていません」と平気で言ってのけちゃう人間。実際にバレたらバレたで、「すみません」「申し訳ございません」と一転平謝りの態度を見せつつ、「ただ、信じてください。この件の背後にこんな問題があるとは知らなかったんです。そこだけは本当なんです」と必死に言い訳を追加してくる人間。

 ウソをつかれた側からすれば、「知らなかったんです」と今さら言われても、その言葉を信じる気にはなれないのだ。総合的に見て、たしかに「背景にこんな問題があるとは知らなかった」のかもしれないが、この件はなにか怪しいな、くらいは察していただろ、と追及したくなる。あるいは、知らなかったで済むと思うな、知ろうとしなかった罪があんたにはあるんだよ、という責め方もありな気がしてくる。

 なぜならバレバレのウソをペロッとついたのは、おこした問題についても、ウソをついた先の世間一般についても、当人が軽んじていたからだ。要は、はなからナメていたということで、そういう態度をとるやつは基本的に信用ならないし、擁護したいとも思えない。

 カラテカの入江慎也が仲介役になって、雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ 1号2号の田村亮ほか多くの芸人たちが、振り込め詐欺グループの宴会で営業活動をしていた件に関して、まず感じるのは以上のようなことだ。

 吉本興業などの事務所を通さない「闇営業」をしたことを問題とする向きもあるが、それは所属組織と所属員の契約問題なので、外の者としてはどうでもいい。

 どこまで本当かわからないが、吉本興業はギャランティーの9割を持っていき、芸人に渡るのは1割にすぎないとも言われている。だから、そんなに売れていない芸人にとっての「闇営業」はとても大事で、そこを全否定するのには抵抗がある、というような擁護の発言をする芸能関係者もいる。

 しかし、このたびの騒動で何が問題なのかといえば、芸人たちが振り込め詐欺グループという反社会的組織の中でも極めてたちの悪い連中から仕事で金をもらっていたということ、そしてその事実がありながら当初は「もらっていません」とみんながみんなウソをついていたことだ。闇営業だか裏営業だかはどうでもいいのである。そこに関して、世間の人々のほとんどは怒っていない。

 一通りの「ウソ」が明らかになった後の6月25日、元芸人の越前屋俵太が以下をツイートしていた。

〈今回の吉本芸人の闇営業問題。個人的な本音を言わせてもらう。高校の先輩であり、昔、随分とお世話になった島田紳助さんが、反社会勢力と付き合っていた事の責任を取って、潔く芸能界を辞めたことが、何の教訓にもなっていない。腹立たしさを通り越して、同じ世界にいたものとして悲しくて仕方がない〉

 筆者も同様の感想を持った。島田紳助が「潔く」芸能界を辞めたという表現にはやや違和感を覚えるが(潔く、というよりも、唐突にいったい何が起きたっていうの?という謎感のほうが強かった)、彼が暴力団関係者との「黒い交際」を認め、芸能界を引退したのは2011年の夏のことだ。で、今回の騒動の「闇営業」が行われたのは、2014年の冬。あれだけ大きな騒ぎとなった紳助引退から、3年半しか経っていない。たしかに何の教訓にもなっていない。

関連記事

トピックス

ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン