黎明期にはフォーリーブスや郷ひろみ(63)、アイドル全盛の1980年代には近藤真彦(54)、少年隊、光GENJIといった所属タレントが芸能界を席巻した。そして1990年代、ジャニーズ事務所の地位を不動にしたのがSMAPだ。中居正広、木村拓哉ら、各メンバーは国民的スターとなり、さらにTOKIO、KinKi Kids、嵐らが綺羅星のごとく続く。
現在、所属タレントの出演するレギュラー番組は、キー局だけで50を超える。そんな“帝国”の生み出す利益は莫大だ。
ジャニーズ事務所は非上場企業のため、詳しい資産状況は公開されない。だが、2006年まで公示されていた法人申告所得ランキングによれば、ジャニーズ事務所の年間所得はピーク時(2002年)で82億円と、数多の芸能事務所の中でダントツだった。
そのビジネスモデルを支えるのは、テレビ等の出演料もさることながら、熱烈なファンたちだ。現在、ジャニーズ事務所には14のグループと90人を超えるタレント、約300名のジャニーズジュニア(CDデビューしていない若手)が所属する。レコード会社関係者が語る。
「コンサートチケットは原則、『ジャニーズファミリークラブ』というファンクラブに入らないと購入できません。しかも嵐は嵐、TOKIOはTOKIOと、グループごとに加入する必要がある。ファミリークラブの入会金は1000円で年会費は4000円。ジャニーズ屈指の人気を誇る嵐のファミリークラブ会員は200万人超ともいわれ、単純計算でも年間80億円が集まります。ファミリークラブの総会員数は500万人とみられており、年会費だけで200億円に達する計算です」
物販もジャニーズ事務所の収入源だ。コンサート会場ではペンライトや携帯ストラップといった様々なグッズが販売され、ファンは目当てのアイドルのグッズを買い込む。