放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、「変わり続ける」女たちについてお届けする。
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女は変わる。女性は変貌しつづける。大手出版社の編集者として私とは仕事で初めて会い、気がつけば人気浪曲師・玉川奈々福となり、弟分の太福と共にここへ来ての“浪曲ブーム”を牽引する。そしてこの度は「“刀剣歌謡浪曲”でCDデビューしました」とロングドレスなどまとい、やって来たのにはおどろいた。
たしかに浪曲から歌謡曲という流れには三波春夫、村田英雄、二葉百合子の大成功した例もあるが……聞いてみるとこれがまた、なかなか“今”があって結構。『舞いよ舞え』という曲、機会があったら聞いてやって下さい。そうそう「浪曲にあらたな息を吹き込むプロデュース力」が評価されたとかで、この度「伊丹十三賞」も受賞。
変化していく女……といえば樹木希林が初のプロデュースをしたと話題の映画『エリカ38』を見た。『時間ですよ』の頃からずっと希林が可愛がってきた浅田美代子。一緒にワイドショーなど見ていると「美代子もこういう女を演ればいいのに」と言っていたとか。
年齢の割にはチャーミングさがあって、人から人へ数億の金を集めていった女詐欺師役。あの事件をすぐに想起させるが、愛らしく優しい人が犯罪者へと変わってゆく。だって「となりのミヨちゃん」だった子だよ。名曲『赤い風船』だよ。“あの娘(こ)はどこ~の娘~”だよ。樹木希林としては「代表作を作ってあげたい」と思ったのだろう。