10歳でデビューして以来、浮き沈みの激しい芸能界で55年もの間、第一線で活躍し続ける小林幸子(65)。この間、引退が頭をよぎったこともあったが、不死鳥のごとく蘇り、そればかりか、新たな道を切り拓いてきた。小林幸子の短期集中連載の最終回では、自ら「引退」を決意する時について、初めて語る。
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「ああしたい」「こうなりたい」って思っても、そう簡単にはいかないのが世の常。55年も芸能生活を続けてきたことを「すごい」と褒めてくれる人がいるかもしれませんが、10歳でデビューした時には、こんなふうになるとは夢にも思っていませんでした。
詳しくは拙著『ラスボスの伝言~小林幸子の「幸」を招く20のルール』の中で触れましたが、私が何年やってきたとか、いろんな賞をいただいたとか、「ラスボス」と呼ばれるようになったとか、それはあくまで結果であって、すでに過去のこと。
また、いろんな方に今までの私の活動や功績を評価していただいていますが、それも過去の栄光のようなものです。もし、これから先のことが紙に書いてあって、その通りになったとしたら……。日々、何の刺激もない毎日になってしまいますよね?
それよりは、「これから先のことは、まったくの白紙」と思って、「いったい何が起こるのかな」とワクワクしながら過ごしたほうが、人生は楽しめると思うんです。
「幸子さんは将来、どこに向かっていくんですか?」。いろんなことをやっているせいか、最近、こんなふうに尋ねられることが増えました。私にもわかりません。
こっちへ行こう、あっちに行ってみよう、と決めているわけではありません。出会った人によって、道は変わるもの。出会いの数だけ可能性が広がっているとしたら、ますます人生って面白そうじゃありません?