2012年に投入したSUVの「CX-5」以降に始まったマツダの新世代カーが、去る5月24日に発売した「MAZDA3」によって第2ステージに入った。「MAZDA3」は旧車名の「アクセラ」を廃止し、社名と数字を冠した名になったことでも話題を呼んだが、この流れは既存車にも続々と適用される。果たしてマツダが目指す新ブランド訴求は奏功するのか。経済ジャーナリストの河野圭祐氏が、「MAZDA3」の販売戦略とともにレポートする。
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マツダは5月に発売した「MAZDA3(旧アクセラ)」に続き、年次改良のタイミングで、7月4日から「アテンザ」を「MAZDA6」に、近日中に「デミオ」を「MAZDA2」に車名変更する。「これからは、マツダというブランドでお客様に選ばれたい」(福原和幸・常務執行役員国内営業担当)という狙いからだ。
クルマのペットネームと言えば日本や米国では多いものの、欧州メーカーのクルマは少ない。マツダはグローバルで見ると、ホンダやスバルにおける米国、スズキにおけるインド、三菱自動車工業におけるASEANなど、突出して強い国や地域のマーケットはないバランス型だが、ドイツでは昔から、ボディ剛性などでマツダ車の評価は高かった。
そうした点に照らすと、マツダのペットネーム廃止の流れは自然にも思えるが、社内ではどんな議論があったのか。
「バブル経済の時代、5チャネル販売体制だった時にも数字や記号の車名を使っていたのですが、当時は各チャネルにまたがって新車を乱発していたこともあり、お客様から『本当にわかりづらい』と言われていました。一方で現在、『デミオ』や『アテンザ』という車名に愛着を持っていただいているお客様も多くいらっしゃる。そこでまず調査を行いました。
2012年に『CX-5』を出して以降、『CX-3』、『CX-8』とペットネームではないSUVを出して定着していったおかげかもしれませんが、ペットネームでなくても抵抗がないお客様も多いという調査結果が出たのです。また、販売会社にも事前に聞き取り調査してみたところ、こちらも問題なしと。ならばということで、『MAZDA3』が出るタイミングで変えていくことにしたわけです」(前出・福原氏)