警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、芸人の闇営業問題について暴力団関係者が口を開く。
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「こんな何年前の写真が出てくるようだと、吉本に芸人はいなくなりますね」
暴力団幹部はそう言って、苦笑いした。実際、いつ、どこから写真や映像が出てくるのか、戦々恐々としている芸人やタレントは少なくないのではないだろうか。
特殊詐欺グループの忘年会や暴力団幹部の誕生パーティに吉本興業所属らの芸人たちが“闇営業”で出席していた問題について、暴力団関係者らに話を聞いてみた。
「フライデーに出ていた稲川の幹部というのは、この人ですよ」
暴力団幹部はスマホでささっと調べ、稲川会系のある組の幹部の名前を教えてくれた。スリムクラブの2人が出席していたという誕生パーティの主人公だ。
「反社会的勢力の会合とは知らなかった」と本人たちは言っているが?
「それはない。初めから稲川会ってわかって行ってますよ」
指定暴力団なら、何かあれば暴対法や暴排条例ですぐに警察に捕まってしまう。その辺の法律に関することは暴力団ならよく知っているため、席に着く前には知らせているはずと他からも聞いていた。
では、芸人やタレントをどうやって呼ぶのか?
「個人的に知り合いがいれば、そのツテで紹介してもらったりしますよ。自分の場合は、昔からの付き合いが現在も続いているので、個人的に食事をしたり飲みいったりという感じですね。さすがに誕生会などには呼びませんがね」
「芸人やタレントの場合、人気に関わらず金銭が発生するので、この程度の依頼でも彼らにとっては闇営業になる。直の仕事として、やったことがある者は多いと思いますよ」
「今の時代になって、“反社”と呼ばれるようになってますが、十数年前までは、芸人たちや芸能人らは新年会、忘年会、誕生会、ゴルフコンペ…何でも参加していたわけですから。今頃になってこんな形で出てくると、彼らもちょっとかわいそうですね」
「今の時代」と暴力団幹部が言うように、暴力団、いわゆるヤクザと芸能界のつながりは長い。
「歌手は興行で呼ばれれば行くし、チケットは地元のヤクザが売ってくれるしで、切っても切れない間だった」
暴力団排除条例ができる前の話だが、ある右翼団体関係者の誕生パーティに招かれ、出席したことがある。誕生パーティは毎年、老舗ホテルの大広間で大がかりに行われ、演歌歌手や芸人、落語家、タレントに俳優、相撲取りやプロボクサーらも出席し、その場を華やかに盛り上げていた。