マウンティングとは、元々サルなどが相手に馬乗りになって個体間の優位性を示す行為のこと。人間関係で使われるときは、自分が上だと格付けしてアピールしてくる行為を指している。2010年代以降は女性の人間関係におけるマウンティングがたびたび取り上げられ、SNSでも同様の事象が多発している。SNSでのトラブル実態に詳しい ITジャーナリストの高橋暁子さんが、SNS投稿へのコメントという形をとったマウンティングの実態について解説する。
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SNSでは今、コメントマウンティングが問題となっている。
「最近太っちゃって、50キロ超えそう。ダイエットしなきゃ」
「旦那さん、家事してくれるんでしょ。うちなんて昇進したら仕事がますます忙しくなっちゃって家事なんてしないから、早く帰れる旦那さんが羨ましい」
「私立校は教育費がかかりすぎて大変。うちもお宅みたいに公立校に行けばよかった」
上のような、一見自虐風なのに馬鹿にされたと感じる、イラッとさせられるコメントをされたことがある人は少なくないだろう。そもそもSNS投稿へのコメントは、投稿した人にとってみれば、読者からの反応があった証拠なのでうれしさを感じるもののはずだ。ところが、発言主を褒めるふりをして自慢が目的のコメントでマウンティングされたら、その喜びも半減する。
前述のコメントを例にとれば、そもそも体重が50キロを超えたところで大半の女性にとって太ったうちに入らないし、自分の旦那が家事を手伝わない理由として「昇進」したことを伝えるのもわざとらしい。公立校に行けばよかったとだけコメントすれば終わるのに、自分の子供はお金がかかる私立に合格して通っていることを先に伝えるのも、言いたいことの順番が透けて見える。
これらSNSで行われるマウンティングの特徴は、一見自慢ではなく自虐しているように見えること。認めてほしいが、あからさまに自慢しているとはとられないよう、このようなやり方が多くなるようだ。