国内

九州豪雨で196万人避難対象 ところで避難所の収容人数は?

九州豪雨で増水した鹿児島市の和田川(共同通信社)

 6月下旬から記録的な大雨となっている九州地方。各地域では「警戒レベル4」という避難指示が出た。防災ジャーナリスト・渡辺実氏の解説。

「警戒レベルは6月から気象庁で運用が始まった新しい防災基準で、レベル4は『全員避難』が原則です」

 九州の南部では7月3日になっても激しい雨が降り続き、レベル4の避難指示は鹿児島県内や宮崎県内などでも相次いだ。その結果、避難対象者は196万人に膨らんだ。

 一斉に避難した場合、収容できる場所はあるのか。

 たとえば、市内全域がレベル4となり、合計59万人に避難指示が出た鹿児島市の災害避難所は全体で240か所ほどだ。その全てをフル稼働させても約8万6000人の収容力しかなく、全市民を避難させることなど到底できない。

「これは鹿児島市に限った話ではありません。全市民を収容できる避難所を持っている自治体などないと思っていい。受け皿がないまま防災基準だけが新設されており、絵に描いたモチになっている。それでも気象庁が『レベル4全員避難』と発表すれば、該当する自治体は従わざるを得ない。気象庁の発表を無視して、もし犠牲者が出たりしたら責任問題ですから」(渡辺氏)

 鹿児島市の市役所職員によれば、3日17時時点で、市内188の避難所に759世帯、1422人が避難している状況だという。実際には避難対象者のうち、わずか0.2%しか避難していないことになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン