美空ひばりさん(享年52)と大原麗子さん(享年62)。誰もが知る国民的歌手と大女優だが、2人の“接点”となると、ほとんど知られていない。令和元年の今年は、ひばりさんが没後30年、大原さんが没後10年という節目の年。これまで表に出ることがなかった2人の交友を、大原さんの付き人を40年にわたって務めた佐藤嘉余子氏(85)が初めて明かした。
* * *
麗子さんはひばりさんのことを「姉さん」、ひばりさんは「麗子」と呼んでいました。2人は9歳違いでしたけど、本当の姉妹のように仲が良かった。
〈2人が知り合ったのは1960年代、麗子さんがデビューしてすぐ。〉
ひばりさんのご自宅でのすき焼きパーティーに招待された麗子さんが、卵を割ってそのまま肉をつけた時に、「麗子、卵はかき回すのよ」と教えられたそうです。後で「実家では卵をつけないで食べていたから、恥ずかしい思いをしちゃった」なんて笑っていましたね。
〈1960年代の大原は、映画『太陽に突っ走れ』、『浪曲子守歌』とヒット作に恵まれ、瞬く間にスターダムに登り詰めた。一方のひばりも、デビュー20周年を迎え、不動の地位を築いた黄金期。互いに多忙で会える機会は少なかったが、折に触れて手紙をやり取りしていたという。〉
特に関係が深まったのは、1970年代後半、ひばりさんのお母様の容体が思わしくなくなってからですね。麗子さんはひばりさんに「来て」と言われるとすぐに駆けつけて、夜中の2時、3時までひばりさんに寄り添っていました。