何年も繰り返されてきた違法コンテンツ配信をめぐる問題が、おさまる気配がない。つい先日も、一人で7000万円も収益を得ていた女性が違法配信で逮捕された。ライターの森鷹久氏が、逮捕者が途切れないにも関わらず、次々と新しい問題配信者が参入する背景についてレポートする。
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「しかし、個人で7000万円とは驚きました。実はこうした動画配信者について、警察は複数人をマークしていて、今回はそのうちの一人をパクった(逮捕した)ということですが、ビビって辞める奴より“そんなに儲かるのか”と言って新たに参入する人間の方が多いのではないか、そんな懸念はあります」(捜査関係者)
警視庁は6月26日、アダルトサイトで自身の局部が映ったわいせつ映像を配信していたとして、東京都内の広告業の女(28)を逮捕した。
女はTシャツやショートパンツなど露出の高い格好で運動を行なうきわどい動画を「YouTube」で配信し、32万人以上のチャンネル登録者を持つ「人気ユーチューバー」だった。その一方、YouTubeでは配信できないわいせつ動画に特化した生配信放送を、本社がアメリカにある企業「FC2」が運営するサイトを通じて行い、3年で7000万円以上の収益を上げていた。
1分あたり39円から600円を視聴者に支払わせていたようだが、局部を見せたりする以外に“これ”といった見所がない、と本音を漏らすのは実際に件の動画を見たという大手テレビ局記者。
「マスクをしており可愛い感じはありましたが、映像としてはつまらないものでした。ただ、そこが逆に“素人”っぽくて、多くのユーザーに見られていたんだろうと思います。特にネット上では“素人礼賛”的な傾向があり、そんなネットユーザーの好みにハマったのです。人気ユーチューバーが、わいせつ動画配信者である裏の顔を持っているということもほとんど知られていなかったはずです」(テレビ局記者)
今回、逮捕された女が使用していた道具を警察が公開しているが、映像のプロが使用するような撮影機材は含まれていなかった。「マスクをしていればバレないと思った」という本人の供述通り、彼女はそういう映像づくりという意味では“素人”だったのだろう。