クルマの色といえば、白や黒、グレー(灰色)といった無難な色が変わらぬ人気で選ばれやすいが、最近は街中でもカラフルな色のクルマを多くみかけるようになった。では、最新のカラートレンドにどんな変化があるのだろうか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。
* * *
6月下旬、ドイツに本拠のある化学メーカーのBASFから、今年の自動車のカラートレンド予測が発表されました。BASFは自動車の塗料も扱っているため、毎年のように世界の自動車のカラートレンド予測を行っており、それをメディアにも発表しています。
この予測は、3~5年後の自動車マーケットを見据え、社会の変化や技術の進化・普及などを分析・検討したものです。自動車メーカーは、この予測を新しい量産車のカラーのヒントにしたり、コンセプトカーのカラーに採用したりしています。
ちなみに、過去の傾向は次の通りでした。
・「アジア太平洋地域は、ブラウン系が定着し、温かみのあるカッパー(銅褐色)やグレー系など情緒的なカラーが人気の傾向」(2014年予測)
・「飽和するデジタル社会の反動により、バランスのとれた青のバリエーションが出現」(2015年)
・「新しい自由な取り組みを象徴した中間色のブルーグリーンがトレンド」(2016年)
つまり、茶系のカッパー(銅褐色)やブルー系が人気傾向にあるというわけです。
確かに、今春にデビューしたトヨタの「RAV4」は、ブルーグリーンやブルーがイメージカラーとなっていましたし、昨年の「パッソ」のマイナーチェンジはカッパーでした。他にもブラウン系やブルー系をイメージカラーとするクルマは数多くあります。トレンドは確かに存在しているのです。