2か月先に公開する映画、『人間失格 太宰治と3人の女たち』が早くも話題を呼んでいる。世界で最も売れている日本の小説である彼の自伝的小説と同名だが、この小説の映画化というわけではない。映画では、太宰が自殺するまでのおよそ1年間の物語を描いている。
これまで太宰を主人公にした映画といえば、太宰が女性を翻弄する“男性目線”で描かれることが多かった。映画評論家の秋本鉄次さんが言う。
「今作は写真家でクリエーターの蜷川実花(46才)が監督を務めるということもあり、女性目線で描かれているのが特徴です。もちろん主人公は太宰ですが、太宰と関係する女性3人が実質的な主人公になっているんです」
太宰の妻・美和子を宮沢りえ(46才)、太宰の子供を身ごもる愛人の静子を沢尻エリカ(33才)、最後に太宰と心中する戦争未亡人で美容師の富栄を二階堂ふみ(24才)が演じる。
「小栗旬(36才)演じる“チャラ男”の太宰にどう対処していくか。女性の立ち位置の違いの見せ方や、三者三様の“男性操縦法”が面白い。男としては、“女性の手のひらの上からは逃れられない”という印象を受けました(苦笑)」(秋本さん・以下同)