現在の深田恭子を見て「36歳」である(今年11月には37歳になる)と認識している人はほとんどいないのではないか。エイジレスな美しさを保つ女優の魅力について、ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。
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「だっちゃ!」とラムちゃん風衣装で笑いかけ、歌のお姉さんになりきってお遊戯。最近CMでコスプレ路線を極めている深田恭子さん。アラフォーなのにここまでぶりっ子をやるかと、正直これまでは違和感の方が大きかったのでした。
しかしまさか。『ルパンの娘』(フジテレビ系木曜午後10時)を見て、ある種のショックを受け、女優としての深田さんについてあらためて考え感じ入りました。
中学生でデビューし、キャリアの長い深田さん。30代半ばを過ぎて、通常なら純愛もののヒロイン役や水着写真集など肌の露出も減少していくはず。
それなのに、彼女はまったくの逆張り。少女のようなキョトン顔、ビキニ姿の写真集でダイナマイトボディを惜しげも無くさらす。男性向けセクシー路線をつきつめるのかと思えば、サーフィンで健康美?を披露したり、進む先が読めない。
年齢も考え方も、キャラクターもつかみ所が無いというのか、所属する場所が見えないというか。年を重ねるごとに「不思議な感じ」が増えていく。まさにそうした所在のない「浮遊感」が、今回の『ルパンの娘』と絶妙なハーモニーを奏でているのではないでしょうか?
深田さんが演じる主人公・三雲華は、泥棒一家“Lの一族”の娘。普段はおっとりした図書館司書、しかしセクシーなスーツに身を包むと豹変しドロボウの才能が目覚め鮮やかな身のこなしで宝石を盗み出す。子供相手に絵本を読み聞かせる昼の顔と、スーツに仮面というキッチュなドロボウ姿、その対比が鮮やか。
しかも、恋愛のお相手は警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)。決して許されないドロボウと警官のカップルは、さながら現代版のロミオとジュリエット……という荒唐無稽な設定に、コスプレ風の作り物感が満載で、深キョン以外にありえないドンピシャのハマり役となっています。